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次年度受験に向け先回の本試験分析

担当教師による試験分析の一例<出題問題数とその傾向>
(一例として過去問 H22より)

  択一式 多肢
選択式
記述式 配点
(合計点)
基礎法学 4点×2= 8点 2(8)
憲法 4点×5=20点
8点×1= 8点
6(28)
行政法 19 4点×19=76点、
8点×2=16点
20点×1=20点
22
(112)
民法 4点×9=36点
20点×2=40点
11(76)
商法 4点×5=20点 5(20)
合計 40 4点×40=160点
8点×3=24点
20点×3=60点
46
(244)

1.「行政書士の業務に関し必要な法令等」について

(1)5肢択一式

 H21と比較して出題配分に大きな変更はなかった。本年度は同様にやはり行政法からの出題が19問と多かったことは、試験が行政法を重視していることのあらわれといってよいだろう。

また商法から5問出題された傾向は本年度も継続されており、商法は行政書士にとって必要な予備知識である、との位置づけの表れであろう。

出題内容としては、ヤマを張るのも難しいような細かい分野の問題(商法の陸上物品運送-問題40)や論理的な思考を問う問題(基礎法学-問題2や憲法問題)もあった。しかし、根底の基礎知識がなければ理論も構築できなかった問題も多く、コツコツ知識を蓄えてきた受験生が全く手も足も出なかったという問題は少なかったといえる。その意味ではフェアではあるが、知識はあるが法的思考の訓練をしていなかった受験生にとっては今年も、難関だったのではないかと思われる。

(2)多肢選択式

H22はH21と同様、民法1問、行政法2問であった。 択一式よりもむしろ平易であったと感じた受験生も多かったのではないだろうか。

昔は、穴埋め部分を自分で言葉を考えて埋めなければいけなかった出題時期もあったが、現在の選択式の場合は、語句群から適当な言葉を選択して埋めればよいため、答えは例示されている。しかも、読んでいくうちに空欄の前後にヒントがあり、選択肢も確定しやすかったといえる。むしろ国語の空欄補充の問題が苦手、という受験生が苦労したかもしれない。。

(3)記述式

 40字程度を記述させる問題である。

自分の言葉で表現することに慣れていない方にとっては難しく感じたことと思われる。

本年度は民法2問、行政法1問であった。今回は他の法律にまたがるような横断的に知識を問う問題はなく、「債権の担保という分野でここまでの論点がわかっていれば解答できる」という分野に終局される出題であった。

ただ、従来のように単純に要件・効果だけではなく、その先に生じた論点をしっかりと意識して(判決の効力であれば一般的効力・具体的効力だけではなくその先の事情判決が必要だったなど)、キーワードを使いこなす能力を養っていく必要がある。

民法・行政法とも事例分析に活かせるよう日頃からキーワードを正確に読み込んでおく習慣を身に付けておくべきである。

2.「行政書士の業務に関する一般知識等」について

  択一式 配点
(合計点)
政治分野 4点×2=8点 2(8)
経済分野 4点×2=8点 2(8)
社会分野 4点×3=12点 3(12)
個人情報
保護分野
4点×2=8点 2(8)
情報通信
分野
4点×2=8点 2(8)
文章理解 4点×3=12点 3(12)
合計 14 4点×14=56点 14(56)

 出題内容については、行政組織、地方公共団体の財政等、比較的オーソドックスなテーマもあれば、日本の中小企業や難民認定などニッチなテーマも問われた。情報通信に関して、プロバイダ責任法などは、注意喚起していた部分もあり、まさかというような突飛な問題はなかったように思われる。

3.配点表(上記とかぶりますが…)

試験科目 出題形式 出題数 満点
法令等 択一式 5肢択一式 40問 160点
多肢選択式 3問 24点
記述式 3問 60点
46問 244点
一般知識等 択一式 5肢択一式 14問 56点
合計 60問 300点

4.合格点

(1)法令等科目の得点が、122点以上
(2)一般知識等科目の得点が、24点以上
(3)試験全体の得点が、180点以上。

5.受験者数・合格者数・合格率推移

試験実施年度 受験者数 合格者数 合格率
平成10年度 33,408人 3,681人 5.85%
平成11年度 34,742人 2,240人 4.29%
平成12年度 44,446人 2,902人 8.01%
平成13年度 61,065人 6,691人 10.96%
平成14年度 67,040人 12,894人 19.23%
平成15年度 81,242人 2,345人 2.89%
平成16年度 78,683人 4,196人 5.33%
平成17年度 74,762人 1,961人 2.62%
平成18年度 70,713人 3,385人 4.79%
平成19年度 65,157人 5,631人 8.64%
平成20年度 63,903人 4,133人 6.47%
平成21年度 67,348人 6095人 9.05%
平成22年度 70,586人 4,662人 6.60%
平成23年度 66,297人 5,337人 8.05%
平成24年度 59,948人 5,508人 9.19%
平成25年度 55,436人 5,597人 10.10%
平成26年度 48,869人 4,043人 8.27%
平成27年度 44,366人 5,820人 13.12%
平成28年度 41,053人 4,084人 9.95%
平成29年度 40,449人 6,360人 15.72%
平成30年度 30,195人 4,968人 12.70%
令和元年度 39,821人 4,571人 11.48%
令和2年度 41,681人 4,470人 10.72%
令和3年度 47,870人 5,353人 11.18%
令和4年度 47,870人 5,802人 12.13%
令和5年度 46,991人 6,571人 13.98%

毎年、幅広い出題傾向であるため、合格率の変動があり、一定していない。

6.出題傾向と対策

各科目開始時のミニガイダンスにて行う。


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